電源ICとは、リニア・レギュレータや、DC-DCコンバータを単体、もしくは複数個搭載されているIC (Integrated Circuit)です。また、搭載されている電源に対する、保護機能や制御機能も、同じIC内に搭載されています。
電源ICには、数個の電源を搭載したシンプルなものから、10電源以上搭載し、更に制御機能を持つような複雑なものまで、さまざまな種類のものがあります。したがって、使用する場合には、使いたいシステムに最適な電源ICを、選択する必要があります。
図1 電源ICの例 (NXP PF9453)
うまく、最適な電源ICを選択できれば、電源設計の容易化や、実装面積の削減に繋がりますが、そうでない場合、余分に外付け回路を追加する必要があったり、IC間にまたがって制御しないといけなくなったりなど、設計難易度が上がってしまう場合があります。
最適な電源ICを選ぶときに、どのような手順で、候補となる電源ICを絞り込んでいくのが良いのかを、大きく、以下の3つのステップでまとめてみました。
・Step 1 - 候補となる電源ICの選定
・Step 2 - 実装面積の確認
・Step 3 - 熱設計の確認
これらの手順では、実際に電源回路の仮設計を行うかたちになっています。
では、第1回ではStep1を見てみましょう。
Step 1-1: 対象システムに入力される電圧・電流値を確認
Step 1-2: 電源を供給する部品の決定
Step 1-3: 対象システムに必要な電圧系(電流系)の分類
Step 1-4: 電源ICを検索
NXPでは、「PMIC & SBCs 」のページから、製品セレクタを使ったデバイス検索や、各種マイコン/プロセッサに適した電源ICの検索が可能です。また、クロス・リファレンスによる、他社型番からの検索も可能です。
Step 1-5: 候補の電源ICを選定
Step 1-6: 候補の電源ICに必要な周辺部品を確認
Step 1-7: BOM (Bill Of Materials) の作成と部品コストの算出
この時点で、電源ICと周辺部品を含めた、総部品コストが出てくるので、ここで、初めてBOMベースでのコスト比較が可能になります。
第2回で"Step 2 - 実装面積の確認"、第3回で"Step 3 - 熱設計の確認"について説明しますので、ぜひ見てください。
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