どのように電源ICを選べばいいのか? [第2回] (日本語ブログ)

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どのように電源ICを選べばいいのか? [第2回] (日本語ブログ)

Yutaka_Okui
NXP Employee
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第1回では、電源ICがどのようなものかという説明と、最適な電源ICを選択するための3つのステップのうち、"Step 1 - 候補となる電源ICの選定"、を説明しました。

 [電源ICを選択するための3つのステップ]

 ・Step 1 - 候補となる電源ICの選定

 ・Step 2 - 実装面積の確認

 ・Step 3 - 熱設計の確認

Step 1が終わったところでは、電源ICと周辺部品を含めた、総部品コストが出てくるので、BOMベースでのコスト比較が可能になりました。

この時点で、電源ICに対して、最初に必要な情報は、入手できたと思うかもしれません。実際、最初の見積もりでは、この時点で一旦、止めてしまう場合もあります。

ただし、実際にPCB基板上に部品を配置したときに、本当に目標のサイズ内に収まっているか、この時点ではわかりません。電源ICと周辺部品については、通常の信号線に比べて配線幅を太くする必要がありますし、様々なレイアウト制約がかかってくるため、あらかじめ実装面積を確認しておくことは、非常に重要です。

serch blog02_2.png

図1 電源IC実装エリア例(i.MX 8M Nano UltraLite Evaluation Kitより)

 

そこで、次のステップとして、”Step 2 - 実装面積の確認を説明します。

 

Step 2 - 実装面積の確認

 

Step 2-1: BOMより回路図を作成

  • 推奨回路を参考に、Schematicを作成。

serch blog02.png

  • 例:PCA9451A (i.MX 93用PMIC) *以下URLより「設計・リソース」タブをクリック

   https://www.nxp.jp/products/PCA9451A

 

Step 2-2: PCB基板の構成の決定

  • 貫通基板またはビルドアップ基板、どちらを選択するか?
  • 基板層数は何層にするか?
  • 信号層と電源層の割当(2s2pなど)をどうするか?

Step 2-3: 回路図よりボードレイアウトを作成

  • PCB基板の構成に従って、Schematicからレイアウトを作成。
  • GND分離、AC loop最短レイアウトに注意。

Step 2-4: パワーインテグリティ(Power Integrity)の確認

  • IR-Dropは許容値以下か?
  • クロストークの影響は許容値以下か?
  • AC特性は想定値に入っているか?

Step 2-5: 実装面積の確定

  • 想定した、実装面積内に収まるかの確認。

 

この時点で、電源IC+外付部品での面積が出るので、ここで、BOMベースでの実装面積がわかります。Step 1で、いくつか電源ICの候補を残している場合は、ここで、実装面積の比較を行ってください。

 

次回、第3回では、"Step 3 - 熱設計の確認"について説明しますので、ぜひ見てください。

 

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