NXPのパワーマネージメントIC(PMIC)をi.MXアプリケーション・プロセッサ(MPU)向けに使用するメリット(日本語ブログ)

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NXPのパワーマネージメントIC(PMIC)をi.MXアプリケーション・プロセッサ(MPU)向けに使用するメリット(日本語ブログ)

Takayoshi_Obara
NXP Employee
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NXPのパワーマネジメントIC(PMIC)i.MXアプリケーション・プロセッサ(MPU)向けに使用するメリット使用するメリットを6つ説明します。

NXP PMIC NXP processor.png

 

メリット1: 電源設計の簡素化と開発期間の短縮

汎用の電源ICを使用する場合、i.MXプロセッサと適切に組み合わせるための、詳細な電源設計が必要になります。NXPのPMICでは、i.MXプロセッサの電源仕様に合わせたOTP(One Time Programing)メモリ設定が用意されており、適切な出力電圧・電流を供給することができます。また、電源供給だけでなく、i.MXプロセッサが要求する電源起動シーケンス(電源の投入順序やタイミング)も設定されています。電源設計にかかる時間や労力を削減することで、開発期間の短縮が可能になり、迅速な市場投入が実現できます。

起動シーケンスの設定起動シーケンスの設定i.MX 8M Plusに設定されたPMICの動作i.MX 8M Plusに設定されたPMICの動作

 

 

 

 

 

 

 

メリット2: レギュレータの統合及び基板の小型化

組み込みシステムや携帯型デバイスでは、基板の小型化が重要な要素となります。NXPのPMICは、i.MXプロセッサに必要な複数のレギュレータ(DCDC及びLDO)を、1つのICに統合しています。これにより、従来のように複数の電源ICを配置する必要がなくなり、基板の小型化が実現できます。

 

メリット3: 各種保護機能の搭載

NXPのPMICは、入力低電圧検出(Under Voltage Lock Out)、出力過電流保護(Over Current Protection)、出力高電圧保護(Over Voltage Protection)、高温度保護機能(Thermal Protection) などの保護機能が搭載されています。また、一部のPMICには、出力電圧監視回路(Voltage supervisor)、入力過電圧検出(Over Voltage Lock Out)などが搭載されています。これらの電圧障害が発生した場合には、各種保護機能により、i.MXプロセッサを保護することができます。

i.MX 8M シリーズ用PMIC: PCA9450 内部ブロック図i.MX 8M シリーズ用PMIC: PCA9450 内部ブロック図

 

メリット4: 周辺デバイスへの電源供給

一般的に、i.MXプロセッサは、通信系デバイス(Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth)やディスプレイ、オーディオ、カメラモジュールと組み合わせて使用されます。NXPのPMICはi.MXプロセッサだけでなく、これらの周辺デバイスに加えて、DRAMやFLASHなどのメモリ、ストレージデバイスにも適切な電源を提供します。

使用するDRAMの種類によって必要な電圧値が異なる場合、下記二つのソリューションがあります。

(1) DRAMに必要な初期電圧値が設定されたOTP型番のPMICを選択できます。

(2) i.MX プロセッサ起動後に、I2C通信によりPMICの出力電圧を変更し、DRAMに必要な電圧を供給できます。

i.MX 8M Plus及び周辺機器向けに最適化されたPMIC: PCA9450Ci.MX 8M Plus及び周辺機器向けに最適化されたPMIC: PCA9450C

 

メリット5: 電源制御によるi.MXプロセッサの高効率動作

近年のIoT機器や車載を含むバッテリー駆動デバイスでは、バッテリーの消耗を抑えるために、低消費電力モードの活用が重要となります。NXPでは、低消費電力モードをサポートするソフトウェア(BSP)を提供しているため、簡単にPMICとi.MXプロセッサとで連動した電源制御が可能になります。PMICとi.MX間では、I2C及びGPIOを用いて通信を行います。i.MXプロセッサの低消費電力モードとしては、スタンバイモードやSNVSモード(Secure Non-Volatile Storage:RTCとWake-upのみ動作する)があり、それぞれサポートしています。

I2Cバスを詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。

I2Cバスの概要

 

メリット6: NXPによるサポートと互換性の保証

NXPのPMICは、i.MXプロセッサのリファレンスデザインに搭載されており、相互動作が検証されています。また、最適な動作を実現するためのドキュメント類も豊富に用意されています。さらに、NXPの技術サポートを活用することで、電源設計、ソフトウェア、システム全般に関して、問題発生時の早期解決が可能になります。これにより、開発リスクを低減し、安心して製品開発を進めることができます。

i.MX 8M Plus リファレンスデザインi.MX 8M Plus リファレンスデザイン

 

まとめ

このように、NXPのPMICを使用することで、電源管理の最適化、開発の簡素化、コスト削減、システムの小型化、電力効率の向上など、多くのメリットが得ることができます。特に、NXPのi.MXプロセッサとの相互動作が検証されているため、電源設計のリスクを最小限に抑えながら、短期間で高品質な製品開発が可能になります。

i.MXプロセッサ及び対応するNXP PMICの一覧はこちらを参照ください。

i.MX 専用 PMIC一覧表i.MX 専用 PMIC一覧表

 

参考資料

i.MX 8M Mini/Nano/Plus用パワー・マネージメントIC PCA9450

https://www.nxp.jp/products/PCA9450

[Fact Sheet]PMIC PCA9450C for i.MX 8M Plus

https://www.nxp.com/docs/ja/fact-sheet/IMXPCA9450CA4FS.pdf

[Application Note]AN14246, Power supply IC PCA9450C 

https://www.nxp.jp/docs/ja/application-note/AN14246.pdf

i.MX 8M Plus - Arm® Cortex®-A53、機械学習、ビジョン、マルチメディア、インダストリアルIoT

https://www.nxp.jp/products/IMX8MPLUS

i.MX 8M Plusアプリケーション・プロセッサ向け評価キット

https://www.nxp.jp/design/design-center/development-boards-and-designs/8MPLUSLPD4-EVK

 

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